ども、明智ピロシキです。
突然ですが皆さん、「餓狼伝説」というゲームをしっていますでしょうか?
1991年にSNKから発売された対戦格闘ゲームで、ストリートファイターシリーズと並ぶ人気シリーズとして90年代の格ゲーブームを牽引したSNKの看板タイトルの一つ、それが餓狼伝説です。
つい先日、スマブラSPの追加DLCキャラとして、餓狼伝説の主人公「テリー・ボガード」が配信開始されたことが世間でも話題になっていたので、「なんとなく聞いたことあるかも」って人も多いかもしれませんね。
しかしですよ。ぶっちゃけ当時の格ゲーブームを体験していない明智と同世代かそれ以降の世代の人には馴染みのないシリーズですよね。
「テリー? 誰だよこのマッチョになったポケモントレーナーみたいな兄ちゃんは?」
そうつぶやく若きスマブラー達が目に浮かびます。
それもそのはず、正統なシリーズ自体は99年に発売された「餓狼 MARK OF THE WOLVES」を最後に途切れています。
いまもシリーズが続いているSNKオールスター出演の格闘ゲーム「THE KING OF FIGHTERS(通称KOF)」シリーズに同作の人気キャラクターたちが多数出演してはいるものの、やはり格ゲーに親しみのある人くらいにしか認知されていないのが現状かと思います。
ところで、スマブラ公式のテリー解説動画を見た人ならわかると思いますが、ディレクターの桜井さんがいつにもましてはしゃいでいましたよね? スマブラは「ペルソナ」「ドラクエ」「バンジョーとカズーイ」とコラボが続いてきてますし、もっと前から考えれば「メタルギア」「ロックマン」「悪魔城」などともコラボしてきたわけですが、今回のはしゃぎっぷりは群を抜いていました。「若い人は置いてきぼりです」と明言してディープなネタも連発してましたよね。
餓狼伝説はそれだけ当時のゲーマーが熱くなれるゲームであり、思い入れのあるゲームなんです。
当時の小学生男子はみんなテリーの真似をして、体育帽を放り投げては「OK!」って叫んでたんです。
この、俺たちの餓狼伝説が帰ってきたぞ!的なお祭り感。嫌いじゃないです。むしろ大好物。
明智は偶然にも餓狼伝説についてある程度の知識があったので、参戦決定を知ったときは嬉しかったし、例の動画はものすごく楽しめたし、ネットで見るゲーマーたちの反応やファンアートにも楽しませてもらいました。
でもそれを遠目で見ているだけって、悔しくないですか。俺なら悔しい。俺ももっと楽しみたい!
同じ感覚を味わうのは無理でも、その熱狂を少しでも共感したい!
そんなわけで、前置きが長くなりましたが、
そのゲームのこと、キャラクターたちのこと、少しでも知った気になってオイシイとこつまみ食いしちゃおうぜ。
「キャラクターに歴史あり」
餓狼伝説編 はりきっていきましょう。
01.伝説の狼 テリー・ボガード
左:初期のテリー
(リアルバウト餓狼伝説SP)
右:最近のテリー
(KOF XII)
餓狼伝説の主人公。赤い帽子がトレードマークの明朗快活な我らがヒーロー。初登場時は22歳でした。
「OK!」と帽子を投げる勝利ポーズが有名で、バスケとファストフードとテレビゲームを愛するストリートファイターです。
子供好きで誰からも慕われる陽気なイメージの彼ですが、実は暗い過去を背負ってます。
物語の舞台サウスタウンの孤児として教会で育てられたテリーは、ジェフ・ボガードというさすらいの格闘家に拾われ、ともに孤児として育ったアンディと一緒にジェフの養子になるのですが、サウスタウンを牛耳るマフィアのボス、ギース・ハワードによって目の前でジェフを殺害され、以来ギースに復讐するために己を鍛えるべく武者修行の旅をしているのです。
餓狼伝説の初期のストーリーはボガード兄弟の復讐劇だったんですね。なので公式イラストで描かれるテリーたちの表情も険しいものが多いです。
RB餓狼伝説の10年後を描いた続編「餓狼MOW」やパラレルワールドにあたる「KOFシリーズ」では、陽気で朗らかな性格がよく出ており、強者との戦いを純粋に楽しむ姿を見ることができます。
ちなみにかなりモテる男なんですが、あまり色恋エピソードが語られません。ヒロインの一人ブルー・マリーとは結構良い仲のように見えるんですが、テリーが鈍感っぽいのでさほど進展していないようです。アニメ版ではヒロインの女性と恋仲になりかけるのですが、いずれも死別してしまいます。復讐のために戦っていることもあり、あえて女性との関係を避けているような節も見られます。しかし見ただけで女性のスリーサイズを当てることができるらしいので、テリーの女性に対する感覚はよくわからないところが多いですね。
そんな彼の格闘スタイルはマーシャルアーツと亡き父から受け継いだ喧嘩殺法。さらにはジェフの師でもある八極聖拳の伝承者タン・フー・ルーに師事して習得した「気」のコントロールを組み合わせた様々な必殺技を繰り出します。
代表的な技としては、拳を地面に叩きつけ地を這う衝撃波を放つ「パワーウェイブ」
拳に気を集め突進しながら突き出す「バーンナックル」
超巨大な気の激流を地面から放出させる「パワーゲイザー」などがあります。
前述したように、餓狼伝説はストリートファイターと並ぶ格闘ゲームの人気シリーズであり、テリーはその象徴でした。KOFシリーズで京と庵という超人気キャラが誕生した後もSNKの代表として活躍し、SNKが発売したタイトルに最も多く出演しているキャラクターでもあり、16年発売のKOF最新作である「XIV」にももちろんチーム餓狼のリーダーとして出演しています。今回のスマブラ参戦でさらに認知度が高まるでしょうから、餓狼伝説の続編が作られるのも時間の問題かもしれませんね。
02.兄の背を追う骨法の達人 アンディ・ボガード
左:初期のアンディ
(リアルバウト餓狼伝説SP)
右:最近のアンディ
(KOF XII)
餓狼伝説の主人公の一人。テリーの義理の弟で、不知火流体術の継承者。初登場時は21歳。
テリーと比べてクールで冷静な性格ですが、時折熱くなり突っ走ってしまうこともあります。
兄のことを誰よりも慕っていますが、いつか超えるべき存在として常に目標に置いており、ストイックに修行に励んでいます。
タンの紹介で不知火半蔵と出会い、彼に師事するため兄と離れて日本に向かい、骨法と不知火流体術を会得しました。
修行のさなか、半蔵の孫娘である不知火舞に言い寄られ恋人同士となりますが、結婚するのはまだ早いと彼女のアプローチを断り続けています。
半蔵の死後、舞とともに不知火流の継承者となり、「餓狼MOW」の時代には弟子もとっています。
小柄で身軽なアンディはスピードを活かした戦法を得意とし、必殺技には
残像を発生させるほどの素早い肘打ちを放つ「斬影拳」
回転しながらドロップキックのように両足を突き出して飛ぶ「空破弾」
不知火の炎(オーラ)を纏いながら空破弾を放つ「超裂破弾」などがあります。
餓狼伝説の「美形キャラ」枠として安定したポジションに着いていましたが、一時期ぱったりと出番がなくなっていたことがありました。非公式ですが、それをネタにした「美形会議」での彼の心の叫びは切実ながら笑いを誘うものがありました。いまはすっかりチーム餓狼の一員としてのポジションを再び確かなものとしたようで安心です。
03.嵐を呼ぶ男 ジョー・ヒガシ(東 丈)
左:初期のジョー
(餓狼伝説3)
右:最近のジョー
(KOF XII)
餓狼伝説の主人公の一人。日本人でありながら単身でタイに渡り、ムエタイチャンプに上りつめた男。初登場時は21歳。
見た目と違わず豪快な性格で目立ちたがり、ワニのから揚げが大好物。持ち前の明るさで暗い過去を背負うボガード兄弟ともすぐに打ち解けあい親友となりますが、強さを求めるストイックさも持ち合わせています。実力は本物で彼の代名詞であるハリケーンアッパーにはギースも一目置いていたほど。
ボガード兄弟と違って明確にモテたい願望がありますが、あまり女性からの人気はないようです。ビリーの妹のリリィに好意を寄せていますが、ビリーの堅いガードによってなかなか仲を発展できずにいます。
作品によってはアジア系の少女を弟子に取っているような描写が見られ、次世代の教育に熱心な姿も窺えます。
得意技は拳を振り上げて竜巻を飛ばす「ハリケーンアッパー」
オーラを纏った跳び膝蹴りを繰り出す「タイガーキック」
赤い巨大な竜巻を発生させる「スクリューアッパー」などがあります。
KOFの中期ではトランクスをずりおろして半ケツになりながら相手を挑発するなど、ギャグ路線のキャラクターになったりもしましたが、最近は餓狼時代のようなストイックな面が戻りつつあるようです。
04.魅惑の女忍者 不知火 舞(しらぬい まい)
左:初期の舞
(餓狼伝説SP)
右:最近の舞
(KOF XIII)
「よっ、日本一ぃ!」の決め台詞でお馴染みのセクシーくのいち。餓狼伝説2から登場。初登場時はなんと19歳。
ヘヴィメタル好きのおてんば娘で大和撫子とは程遠いように思われがちですが、和裁や華道を嗜むなど、日本の伝統に造詣が深い一面も覗かせています。
同門のアンディのことを最初は好ましく思っていませんでしたが、次第に惹かれていき、いまや結婚を迫って追い掛け回すまでになっています。
KOFではアンディと一緒のチームを組みたがりますが、それがかなったのは数回のみで、いつもはキングやユリとともにチーム女性格闘家としてアンディに挑む立場となっています。それはそれで楽しんでいるようですが。
得意技は持っている扇子を投げ飛ばす「花蝶扇」
装束の尻尾のような飾り玉に炎をまとわせ薙ぎ払う「龍炎舞」
炎を纏い、肘打ちしながら突進する「超必殺忍蜂」などがあります。
セクシーな衣装もさることながら、大きな胸が立ってるだけでも揺れまくり、勝利ポーズでも揺れまくり。その姿に格闘ゲームは硬派な男たちが殴り合うものと考えていた当時のゲーマーたちはモーレツな衝撃を受けたのでした。ストリートファイターの春麗と並んで格ゲー界に咲き誇る花として確固たる地位を築いた彼女でしたが、その過激なコスチュームのせいか、まさかのスマブラ参戦見送りとなってしまいました。しかし、あのお色気格ゲー「デッドオアアライブ」シリーズにもゲスト参戦するなど彼女の活躍はまだまだ広がっています。
05.帝王の片腕 ビリー・カーン
左:初期のビリー
(リアルバウト餓狼伝説)
右:最近のビリー
(KOF XIV)
悪の親玉ギース・ハワードの片腕的存在。餓狼伝説1から登場している。初登場時は26歳。
ギターとタバコが好きで銘柄はゴロワーズを愛用しています。なぜか「禁煙」と背中に書かれたジャンパーを着ていますが。
もとはハワード・コネクション傘下の工場で働いていましたが、喧嘩で周りにいた全員を皆殺しにしたところがギースの目に留まり、正式な構成員となります。人から命令されることを何よりも嫌いますが、ギースにだけは絶対の忠誠を誓っており、ギースも彼を信頼して最終的に側近の地位まで昇格させました。
ギース亡き後の餓狼伝説2では、クラウザー配下の「三闘士」の一人として登場しましたが、それはスパイ活動であったことが後に明かされています。
RB餓狼伝説で本当にギースが死亡した後もその忠誠は揺らいでおらず、サウスタウンの秩序の為に暗躍し続けています。
リリィという妹がおり、妹の前では優しく真面目な兄を演じています。しかし、リリィとギースを天秤にかけるとしたらギースを選ぶ覚悟でいるようです。
彼の棒術は立川虎蔵という日本人から教わったという話がありますが、後にギースの指示によりその師匠を自らの手で殺害しています。最初は六角棍を使っていましたが、途中から発火機能をもつ特注の三節棍に持ち替えています。
得意技は三節棍を伸ばして突く「三節棍中段打ち」
三節棍の両端に炎をともして回転させうまれた炎の輪を飛ばす「超火炎旋風棍」
三節棍を思い切り振り上げいくつもの残像を生み出しながら叩きつける「大旋風」などがあります。
KOFでは山崎、ブルー・マリーらとチームを組むことが多いですが、最新作のXIVで初めてギースとチームサウスタウンを結成しました。スマホゲームの「KOFオールスター」では女体化した姿のプリティー・ビリーなるキャラクターも登場しています。彼のテーマソングのひとつである「ロンドンマーチ」は何度もアレンジされている名曲です。
06.暗黒街の餓狼 ギース・ハワード
左:初期のギース
(リアルバウト餓狼伝説)
右:最近のギース
(鉄拳7)
悪のカリスマ。サウスタウンの支配者でハワード・コネクションの総帥。シリーズのボス。初登場時は40歳。
ジェフとは兄弟弟子にあたり、タン・フー・ルーのもとで修業を積んでいましたが、奥義の伝承者にジェフが選ばれたことからジェフを殺害し、奥義書を奪いました。さらに彼は古武術をブルー・マリーの祖父である周防辰巳から学び、辰巳のこともその手で殺害しています。とにかく殺しまくりますね、この男。
若くしてサウスタウンを牛耳る組織の幹部となり、格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」を主宰して、その際に発生する金で富を得ていました。この頃の話は別のSNKの格闘ゲーム「龍虎の拳2」で描かれており、餓狼伝説より14年前、若き日のギースが登場します。龍虎の拳の悪役であるMr.BIGとはサウスタウンの支配を巡って争う仲となっています。
極限流空手(龍虎の拳の主人公の流派)に興味を持ったギースは日本に渡り、その文化を好むようになります。ギースとの決戦の舞台となるギースタワー上層の部屋には彼のコレクションが収蔵されています。
餓狼伝説2に登場するクラウザーとは異母兄弟であり、因縁の相手です。さすがのギースもクラウザーにはなかなか手を出せないようです。
さて、餓狼伝説1の物語において復讐に燃えるボガード兄弟との戦いの果てにタワーから転落し、死亡したように思われました。しかしその後、ビリーらの助けもありクラウザーから奪った秘伝書の力で復活を果たします。RB餓狼伝説で再びテリーと決闘し、再度タワーから転落したことで完全に死亡。それからは亡霊「ナイトメア・ギース」となって彷徨っています。
タン・フー・ルーをして最も強大な気を持つ者と言わしめたギースの得意技は、
地を這う衝撃波を放つ「烈風拳」
相手の攻撃を受け止め、捌き、投げ飛ばす「当て身投げ」
周囲に気の柱をいくつも発生させる「レイジングストーム」などがあります。
「当て身投げ」は、もともと突きや蹴り(当て身)を投げるという意味の技でしたが、いつのまにか格ゲー界隈では「相手の攻撃を受けてカウンターをしかける」技の総称として使われるようになりました。それだけの影響力がうまれるほど印象に残る技だったということですね。
SNKを代表する悪役であり、とにかく人気が高いキャラクターです。ビジュアル、生き様、戦闘スタイル、強さ。どれをとっても魅力的で、「様」をつけたくなるキャラクターランキング上位は確実ではないでしょうか。既に死亡しているのでKOFへの出演は決して多くはありませんがストーリーの絡まないお祭り的作品では必ずと言っていいほど出演しています。びっくりしたのは「鉄拳7」への電撃参戦でしょう。まさかストリートファイターの豪鬼と餓狼伝説のギースが2001年の「カプコン VS SNK2」ぶりの共演を鉄拳で実現するなんて誰が予想できたでしょうか。
テーマソングの「ギースにしょうゆ」は、文句なしの名曲です。
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第一回はこんなところにしておきましょう。
餓狼伝説のメインとなるキャラクターは紹介できたと思います。
まだまだ魅力的なキャラクターが沢山いるので、ちょっとずつ紹介していきますね。
興味を持ったら自分でももっと調べてみると面白いですよ。
それでは今回はこのへんで。
次回も、よろしく。
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