喋ってる時なんですけど、AさんとBさんの会話例をご覧ください。
A「テキーラってかなりアルコール強いじゃないですか」
B「えー、そうかなー? 私はテキーラくらいなら余裕だけど」
A「そうですか。Bさんお酒強いんですね。僕はテキーラなんか飲むと結構回っちゃうんですよ。」
B「別に強くないよーw テキーラとか普通だってw ダーツやクラブの時はガンガン飲むし、家にもボトル置いてあるよ。頂き物だけど」
A「いやいやBさんそれはお強いですって。
僕も先日、友人とダーツやってた時に負けが続いちゃって、罰ゲームでテキーラ飲まされたんです。所謂「負けテキ」ってやつですね。4杯も飲まされて記憶飛んじゃいましたよw」
B「え待って、弱過ぎない?w
私も先週テキーラマッチで一晩明かしたけど、翌朝普通にバイトいってたからね??? 後半はもはや勝っても負けても飲んでたけどwww10杯は絶対超えてたよーwww」
A「……そうですか。すごいですねBさん」
以上です。
Bさんは架空の人物ですが、ぶん殴りたくなりませんか?
いやとりあえず一旦、「一般論」で受けろよwwwww
具体的に上の会話の何が気持ち悪いかというと、
A「テキーラってかなりアルコール強いじゃないですか」
B「えー、そうかなー? 私はテキーラくらいなら余裕だけど」
Aさんは、「罰ゲームのテキーラでベロベロになってしまった話」の導入に「テキーラってかなりアルコール強いじゃないですか(確認)」と言っているわけです。「Bさんがお酒に強いかどうか聞いてる」わけじゃないです。
ところがBさんはゴリゴリの主観で話してしまっているため、「(私にとって)テキーラくらいなら余裕」と返事しちゃっています。
まずですが、一般的に「テキーラは強い」です。
お酒の種類 | アルコール度数 |
テキーラ | 40% |
ビール | 5% |
日本酒 | 15% |
ワイン | 15% |
焼酎 | 25% |
ウイスキー | 40% |
ラム酒 | 40% |
ラム酒(151プルーフ) | 75.5% |
スピリタス(ウォッカ) | 96% |
(※「テキーラ専門ページ」様より引用)
もちろん、お酒に強い人はたくさんいますし、酒豪のBさんにとってもテキーラ程度では些細な酔いかもしれません。
いや、でもとりあえず一旦「一般論」で受けろよwwwww
Bさんがお酒強いかどうか聞きたいだけなら「Bさんってテキーラとかも飲まれるんですか?」みたいな聞き方するっしょ。
あくまで「“テキーラ”ってかなりアルコール強いじゃないですか」と一般的なテキーラの強さをオチへの布石として確認しているわけです。
「そんな強いテキーラを4杯も飲んでしまったという自身のお酒の失敗談」を語りたいわけで、Bさんがお酒に強いかどうかはひとまずどうでもいいんですよ。
会話にルールは無い。けどマナーはある。
とはいえ、Bさんがそもそもお酒の度数について疎く、「テキーラが他のお酒に対して度数が高い」ことを知らなかっただけということも考えられるでしょう。
そうだとしたらBさんは別に悪くありません。一般的なテキーラの認知を把握していないわけですから、ひとまず主観で喋るしかないですし。(知らないなら話を止めるなとも思いますが)
ひとまず次のシーンです。
A「そうですか。Bさんお酒強いんですね。僕はテキーラなんか飲むと結構回っちゃうんですよ。」
B「別に強くないよーw テキーラとか普通だってw ダーツやクラブの時はガンガン飲むし、家にもボトル置いてあるよ。頂き物だけど」
自分の話を始めちゃったよ(まいったね)
どう考えても今はAさんの会話ターンです。
Aさんが話を振って、Bさんの唐突な自分語りをサっと対処し、トークを展開させようとしています。
Bさんがテキーラをガンガン飲めるのは一旦どうでもいい上に、ボトルを頂いたエピソードも関係ない上に、なにより今はお前のターンじゃねえんですよ。
よく例えられますけど、会話って基本はやっぱりキャッチボールじゃないですか。
こっちが投げたボールを受け取らないうちに、向こうのポケットから新しいボール投げられるのって気持ち悪くないですか???
とりあえず一旦キャッチしてよ、みたいな。
別に話の腰を粉砕骨折されても気にならない仲なら何も言うことはありません。
ただマナー違反じゃね?ってだけです。
それはキャッチボールやない、ドッジボールや。
A「いやいやBさんそれはお強いですって。
僕も先日、友人とダーツやってた時に負けが続いちゃって、罰ゲームでテキーラ飲まされたんです。所謂「負けテキ」ってやつですね。4杯も飲まされて記憶飛んじゃいましたよw」B「え待って、弱過ぎない?w
私も先週テキーラマッチで一晩明かしたけど、翌朝普通にバイトいってたからね??? 後半はもはや勝っても負けても飲んでたけどwww10杯は絶対超えてたよーwww」A「……そうですか。すごいですねBさん」
気持ちよく話すことが出来ないAさんですが、なんとかオチまでもっていきます。
しかしBさん、Aさんのオチを食べてしまいました。
読まずに食べちゃうヤギさんかお前は。
一番エグい仕打ちです。Aさんは心が折れてしまいました。
Bさんにとってはテキーラ4杯程度なぞ日常茶飯事で、取るに足らないエピソードだったかもしれません。
しかし、Aさんの話を受け取らないどころか、まるごと潰して投げ返すのは「野球しようぜー!お前ボールな!」っていうのと同じです。相手からしたら地獄です。
もしかしたらBさんは最初からAさんの話なんて聞くつもりは毛頭なくて、自分語りのキャッチャー役が欲しかっただけなのかもしれません。
Aさんの大して面白くもないトークを受け取る暇なんてない、それより一秒でも長く私の話をさせろ! という押し寄せるエゴイズムがBさんを駆り立てていたのかもしれません。
Aさんのトーク内容が面白いか否かはさておき、この会話はBさんのせいで成立しなくなってしまいました。
一見会話のように見えるこのやり取りは、Aさんがキャッチボール、Bさんがドッジボールをしているという異種球技大会だったのです!(まいったね)
まとめ(まとまっているかは不明)
別に「主観を殺して会話しろ!」っていう気は全然ないんですよ。
ただ、やっぱ会話って「語り手」は「聞き手」に聞いてほしいじゃないですか。
阿吽の呼吸で考えてることも手に取るように分かる間柄であれば、別に主観のぶつけ合いでもいいんですけど、せっかくなら楽しい会話にしたくないです?
ひとまず一旦、「一般論」で受ける。
とりあえず上の会話でやってみるなら、
A「テキーラってかなりアルコール強いじゃないですか」
B「まあ確かにねー。(一般論) 私は割と強いから平気だけど、テキーラは結構キツめかも(主観と一般論)」
A「Bさんお酒強いんですね。僕はテキーラなんか飲むと結構回っちゃうんですよ。」
B「そうなんだ。ダーツやクラブでも罰ゲームとして飲むくらいだもんねテキーラって(一般論)」
A「僕も先日、友人とダーツやってた時に負けが続いちゃって、罰ゲームでテキーラ飲まされたんです。所謂「負けテキ」ってやつですね。4杯も飲まされて記憶飛んじゃいましたよw」
B「お酒弱いのにそれはキツイなーw 病院行きとかじゃなくてよかったよ」
ちょうど私も先週テキーラマッチで一晩明かしたけど、次の日朝からバイトあってさー(受けてから自分の話を投げ返す)」
A「え、そっちも大変じゃないですかw それ大丈夫だったんですか?」
みたいな。みたいなね。
いや僕なんかが会話の模範解答めいたものを提示すること自体おこがましい気はしてますよ。
でも分かるっしょ? 言いたいこと伝わってるよね??
しかも普段から「聞き手」の時に一般論で受けていれば、「一般論」から逸脱した時にすぐツッコミいれられるようになります。
落語家の桂枝雀も「”笑い”は一般(常識)からの逸脱でボケ、一般(常識)への着地でオチる」って以前TV番組で仰ってました。
B「私お酒めっちゃ好きでね。毎朝起き抜けでテキーラ引っ掛けてから大学行くんだけど(一般論からの逸脱)」
A「完全にアル中じゃないですか。大学じゃなくて病院行ってくださいよ(一般論への着地)」
みたいなね。
記事書いてて薄々感じてましたが、僕、例文作る才能が絶望的だな。
まあこの辺の話はまた別の記事として、
とりあえず一旦、「一般論」で受けてみようぜ っていう。そういうことです。
ちなみに多摩川さん、テキーラめっちゃ苦手です。
あれ好きな人、日本に一人もいないだろ???(主観のドッジボール)
おわり。
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